秋田天使パパ・ママの会
わたしたちNPO法人ここはぐでは、2013年から秋田県内(主に秋田市)で流産・死産・新生児死等でお子さんを亡くされたご家族を対象に「天使パパ・ママのお話し会~秋田~」を毎月開催しています。(お話会の写真で提供いただけるものはありますか?)
お話会に参加するスタッフも赤ちゃんを亡くした経験のある天使ママで、その場にいるすべての方が経験者です。
個室の会場で、参加してくださるみなさんが居心地のいい、安らぎを持てる場になるよう努めています。
自分の経験や想いを打ち明けたり、話を聞いて共感したり。自分のお話はまだできないという方は他の方のお話を聞くだけでも構いません。
人の経験や想いを聞くと、自分の心の中に閉じ込めていた気持ちに気付くことがあります。
人に話すことで分かち合えることもあるでしょう。
ここが天使パパ・ママにとって、飾らずそのままの気持ちを受けとめる場でありたいと思い活動しています。
天使ちゃんのちくちく会
天使パパ・ママの会を続ける中で
“小さく生まれた赤ちゃんが産院でガーゼに包まれていた”
“出産準備する週数まで至らなかったがベビー服を選んであげたかった”
“愛しい我が子なのに、小さいというだけで服を着せてあげられないのが悲しい”
と後悔している体験談が多く寄せられました。
小さく産んでしまったママほど、赤ちゃんに服を着せてあげられなかった→準備してあげられなかった→満足におくってあげることができなかった。と後悔が深まります。
赤ちゃんを亡くしたこと以外の悲しみを少しでも減らすことはできないか、との思いから産着を手縫いで製作する「天使ちゃんのちくちく会」を2015年に展開。(ちくちく会の写真で提供いただけるものはありますか?)
月に1度の開催で、これまでに小学生から80代までのたくさんの方々にボランティアとして参加していただいています。
流産や死産を経験した方の参加もあり「かわいい産着をつくりたい」という温かな気持ちで一針一針縫われ、完成した産着は医療機関に寄付をしています。
産着を製作する活動からスタートしましたが、ご家族や医療現場からの要望を受け、おくるみやぼうしも各種サイズで作るようになりました。産着やおくるみの寄付は、秋田市の産院から始まりましたが、今では全国に寄付の範囲を広げています。
今までの寄付先一覧
型紙も少しずつ形を変え、よりよい形を求めて参加者さんたちと模索し続けています。
おくりばこ製作へのチャレンジ
「天使パパ・ママのお話し会~秋田~」では、お子さんを亡くされた悲しみの他に、ちゃんと送ってあげられなかったこと、小さな赤ちゃんに見合った産着や棺を準備する事ができなかったことへの悲しみや、後悔の体験談が数多く寄せられてきました。
“葬儀屋に小さな赤ちゃんに見合う棺がなく、簡易的な紙箱に入れるしかなかった。”
“大きい棺では赤ちゃんがとても小さく見えて、ちゃんと産んであげられなかったとさらに辛い気持ちになった。”
また、産着の寄付の際に医療現場からもたくさんの声が届きました。
“もっとなにかできなかっただろうか、という気持ちがずっと頭のなかで巡っていた”
“かわいい布団とピッタリな産着を着ていたら「かわいいね」と心からの言葉で話せた”
“赤ちゃん用の棺も作ってほしい”
そのような医療現場やパパやママ、そばで関わる人達の「亡くなったこと以外の悲しみ」を少しでも和らげたいとの思いから、2018年から「おくりばこ」の開発をはじめました。
しかし、製作の経験やノウハウが全くなかったわたしたち。秋田県の企業活性化センターさんに相談し、協力を得られる職人さんをご紹介いただき試作をスタートさせました。
棺のサイズや形状は天使ママ達の声を一番大切にし、産科医療に携わる方々との多くの意見交換と試作を重ねて作られました。
斎場の方にもお話を伺い、なるべくきれいにお骨が残るようにと木製のおくりばこの形になりました。
決して欠品してはいけない商品なので、たくさんの在庫を持つ必要があり、そのための資金を賄うためにクラウドファンディングで協力者を募りました。たくさんの共感と応援のお気持ちをいただき2019年に販売をスタートさせることができました。
(なにか関連した写真ありますか?)
おくりばこから広がる天使パパ・ママの想い
おくりばこの産着やおくるみ、布団も「天使ちゃんのちくちく会」で手縫いで製作したものです。
売上は新しい布や中綿、糸の購入代のみならず、天使パパ・ママへの周産期グリーフケアの大切さを伝えるための学術集会への参加費用などに充てられています。
全国から医師や助産師、保健師が集まる日本母性衛生学会学術集会への参加(2019年)をきっかけに、おくりばこが看護学校で使用される教科書へ記載されたり、看護学校へ講師として招かれるほか、秋田県立衛生看護学院の助産科の学生の実習先として受け入れもしています。(なにか関連した写真ありますか?)
学生さんに実際に小さな産着やおくるみを手に取もらい、おくりばこを見ながら天使パパ・ママの想いや、私たちの活動への想いを伝えられる場を与えていただいています。
おくりばこができたことで、たくさんの方が興味を持ってくださり、それが天使パパ・ママの声を届けることにつながっています。これからもその輪が広がるように活動をし続けたいと思っています。
グリーフケアとは、死別などの悲しみを経験した遺族を支援し、自立できるようサポートすること。遺族が「悲しみを乗り越え、大切な人がいなくなった世界でもう一度人生を作り上げていく作業」である「グリーフ・ワーク」に取り組めるよう、周囲の人が支援・サポートすることを指します。
テーブルを作って、「寄付先一覧」を作る